WISTA45物語
WISTA45は昭和47年の発売以来25年経過しました。当時の主力はリトレックビュー5×7で、輪出を含め累計約1万代を生産していました。国内の主な購入層はポートレイト主体の営業写真家でした。4×5カラーの感材が急速に普及してきたのを受けてWISTA45の設計がスタートしましたが、基本コンセプトはプロ用として携帯性に優れ、ポートレイト撮影における速写性の確保、万能性等でした。リトレックビューの後継機としてはポートレイト撮影という項目は欠かせないものでした。さらに万能性ということで蛇腹交換式をテクニカルカメラでは初めて採用しました。この機能が今日まで様々なアクセサリーを生み出す基になっているのです。
WISTA45独自の機構をざっと挙げてみると
蛇腹が交換出来る:
・張り替え時期がきても蛇腹だけ部品注文出来る。
・広角用袋蛇腹や望遠・接写用長尺蛇腹が使える。この機能を最大限に利用したアクセサリーとして望遠接写用光学ベン チ「テレーマクロレール」がある
タスキがない:
・大型ノプによる開角度任意設定式で、ベッド部にある三脚座とあいまってバックティルトの自由度が大きい
・ベッドを短く出来るため65㎜迄の広角撮影でベッドダウンの必要がない
自動絞り:
・コパル製WISTAプレスシャターとの組み合せでは開放でピント合わせ、フィルム装填で設定絞リ値に自動的に絞られる機構を全機種に搭載、速写性を確保する
微動スウィング:
・SPではバックスウィングに左右画端を支点とするカム方式の微動スウィングを設けることにより迅速なピント合せが出来る
バックティルト:
・バック部のティルトはベースティルトで、画像面は支点からオフセット(+50mm)されている為画像下端に近い所が実際の支点となりピント合わせが迅速に出来る
フロントティルト:
・フリクションホイールを内蔵した微動ティルトはピントのツメで威力を発揮する
レヴォルビングバッ:
・カメラバック部は全機種レヴォルビング式縦横切り替を装備
フレンネルグラス:
・ピントグラス兼用のフレンネルスクリーンを開発し驚く程明るいピント面を実現、広角、長焦点専用のフレンネルを用意することで、ほとんどのレンズでルーペの正面からピント合わせが出来る
これらの機能を活かしたアクセサリー群はさらに独創的で、またカメラが独創的な為にフォロワーも生まれ難いわけです。 「テレ‐マクロレール」を使用した望遠・接写仕様、シャッターの操作性に優れオフセット量も大きな凹ボード「広角沈みボード」+「47mm広角レール」+回転機能のある袋蛇腹を仕様した広角仕様等、ユーザーの目的に合ったカスタマイジングが可能です。しかも同じ目的でもコスト重視から完壁性重視まで選択範囲も広く、選べるのが特徴です。
例えば、望遠撮影で長焦点レンズを使いたい場合
・望遠接写アダプターリングセット→コスト重視
・長尺レール+長尺蛇腹→コストパフォーマンスのバランス重視
・テレーマクロレール+長尺蛇腹→パフォーマンス重視
以上3種類から選べます。
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